58.5%の人が「肉・魚を冷凍すると味が落ちる」ので冷凍保存に向かないと回答!
「ゆとりうむプロジェクト」が実施した食材の冷凍保存に関するアンケート調査で、「肉や魚は冷凍保存に向かない」と思っている人のうち、58.5%が「肉や魚は冷凍保存すると味が落ちると思う」と回答。冷凍保存する=味が落ちる、つまりおいしさが長持ちはしない、という印象が強いことがわかりました。
そこで今回は「肉、魚は冷凍するとおいしさが長持ちしない?」のウソ、ホントについて検証していきます。
冷凍博士も太鼓判! おいしさを長持ちさせる冷凍保存テクニック「下味冷凍」とは
では、みなさんが考えている通り、肉や魚を冷凍するとおいしさは長持ちできないのでしょうか。ゆとりうむプロジェクトも参画する「冷凍貯金ラボ」の「冷凍博士」こと、東京海洋大学 特任教授 鈴木徹先生にお話を聞きました。
出典:ゆとりうむプロジェクト
下味冷凍保存をした食材の方が、通常調理をした食材より○○!?
また、ジップロック®を販売する「旭化成ホームプロダクツ」と「味香り戦略研究所」による、味覚センサーを用いた味覚検証でも「下味冷凍」に関する研究結果が出ています。
その研究では鮭・豚肉・鶏もも肉・鶏むね肉を、「冷凍しない」「下味をつけずに冷凍保存(通常冷凍)」「下味冷凍で保存」という3つのパターンで一定期間保存した後に調理したものを、それぞれ味覚センサーで分析を行いました。
すると、実験で使用した食材すべてで、通常調理よりも下味冷凍した食材のほうが味の深みと厚み、つまり“コク”の数値が高いという結果が得られたのです。
※味香り戦略研究所調べ
肉や魚を適切に冷凍すればおいしさは保てることがわかりましたが、さらにコクがアップする「下味冷凍」なら、平日の調理の時短にもつながります。
「下味冷凍」とは、食材に調味料で味をつけてから冷凍する保存テクニックのこと。肉・魚をしょうゆや味噌、塩麹などの調味料と一緒にジッパー付き保存袋に入れ、冷凍室にストックするだけでOK(乾燥や酸化の防止のために、なるべく空気を抜いてからジッパーを閉じるのがコツ)。
下味がついているから、解凍してそのまま焼くだけでメインおかずが完成しまし、アレンジすれば、バリエーションも広がります。
出典:旭化成ホームプロダクツ「下味冷凍」HP
冷凍保存にひと工夫「下味冷凍」に挑戦〜秘訣はアイテム選びにあり〜
「下味冷凍」の実践には、アイテム選びも重要です。食材と調味料を入れるジッパー付き保存袋には、旭化成ホームプロダクツの「ジップロック®フリーザーバッグ」のような厚手素材のものがおすすめ! 袋部分は0.06mmほどの厚みがあるので、袋の上から揉んでも破れにくいです。また「ジップロック®フリーザーバッグ」のジッパーは、内側から開きにくい「密封ジッパー」仕様なので、液状の調味料も安心して入れられるのが特長です。
いざ「下味冷凍」に挑戦!
ゆとりうむプロジェクトがおすすめするのはこちらのレシピ!
豚こまケチャップ味の詳しい作り方はこちらから!
この下味のついた素材を活用して「豚こまバーグの酢豚風」を作ってみましょう!
豚こまバーグの酢豚風の詳しいレシピはこちらから!
旭化成ホームプロダクツでは、より多くの人々に「下味冷凍」を実践してもらうために、様々なレシピを公開されています。是非ご確認してみてくださいね。
下味冷凍のすすめ
「肉や魚を冷凍保存するとおいしさが長持ちしない」は…
『ウソ』!
肉や魚を冷凍したからといって一概に味が落ちるわけではありません。食材ごとに適切な方法で保存する、または肉や魚と調味料を一緒に保存する「下味冷凍」なら、購入時の食感に近い状態で保存でき、おいしさが長持ちします。
朝、「下味冷凍」した食材を“冷蔵室”に移動しておけば、夕方には解凍されているのですぐに加熱調理することができ、調理の時短にもつながります。
休日に肉や魚をまとめ買いをしたら、すぐに下味をつけて冷凍室にストックするのを習慣化することで、平日にゆとりがうまれる「下味冷凍」。これまで肉・魚をパックのまま冷凍室に入れていたという方も、“冷凍する”という保存方法を試していなかった方にもぜひ、挑戦してもらいたい習慣ですね。
冷凍室で肉や魚を保存すると、冷凍する前のものに比べて食感や歯ざわりが損なわれるので『おいしくない』と感じる人もいるでしょう。肉や魚を冷凍すると、水分が氷になると同時に肉のタンパク質にくっついていた水分も氷に吸い寄せられ、タンパク質同士が近接してしまいます。保存期間が延びると近接したタンパク質同士に強い化学的な結合ができてきます。そうすると、解凍したときその結合が解けないのでタンパク質はくっついたままになって戻らなくなるのです。図のように氷は融けるのですが、その周りのタンパク質はそのままの形になってしまいます。結果、氷が融けてスポンジの中に水がたまっているような状態になるので、ドリップが出て水っぽくなるのです。また冷凍室の開閉や、冷凍室についた霜を取るために、どうしても温度の上がり下がりがあり肉の表面では氷の粒から水分が昇華して飛び出て、「乾燥」してしまいます。そこは空洞になるのでひどい場合はスカスカな肉になってしまいます。また、油があった場合、油の酸化が激しく進み、色の変化や臭みが出てきます。
この「乾燥」を防ぐためには、肉・魚をパックのまま冷凍することは避けて、酸素を通しづらいラップやジッパー付き保存袋などを使って1食分に個包装してから冷凍保存することで対策できます。
さらに、肉・魚と液体の調味料をジッパー付き保存袋に入れて一緒に保存する『下味冷凍』をすると、調味料が食材の表面をコーティングして「乾燥」を防ぎます。また、食感を変えるたんぱく質分子の結合も抑えることができ、購入時の食感に近い状態が保てるのです。下味冷凍ならば、冷凍室で保存しても1カ月ほどおいしさを維持できますよ。
東京海洋大学 特任教授 鈴木徹先生